mkstyle:Vol.103

MKスタイル、103号。社長がついに『能デビュー』。

【社長のひとりごと】
『能デビュー』
ついに「能」デビューをしました。観世流の方なのですが、観世能楽堂が移転立替のため宝生流の「宝生能楽堂」にて行われました。入口から緊張して中へ。客席の前には茅葺屋根のついた能舞台があり、圧倒されました。今回観させていただいた「朋の会」は、始めに今回の演目のあらすじや見どころをお話ししてくださいます。その際にも「寝ても構いませんよ」とのことでした。今回の演目は「能・芦刈」「狂言・鬼瓦」「能・杜若」「能・船弁慶」と全部で5時間の舞台でした。お席は前から3列目正面で細かい ところまでよく見えました。ぴーんと張りつめた空気の中 大鼓・小鼓・笛・地謡の方々が音を立てずに舞台の定位置に着いていきます。すると突然、笛の音が…幕口の幕が上がり橋懸を音も立てずに能楽師(ツレ・シテ・ワキ)が出てきます。もう、観るもの、聴くもの初めてで興味深々でした。周りを見渡すと一番前でぐっすり寝ていらっしゃる方、後方では首が後ろに折れて寝てらっしゃる方を確認していたのですが、「杜若」の舞台の時に私も眠りの中に…このお話は、都の僧(ワキ)が三河の八幡の沢辺で杜若を眺めていると里の女(シテ)が現れ、八幡の杜若の故事を語り、杜若は在原業平の形見と述べて、自らの庵に僧を案内し、女は業平の衣装を身にまとい自分は杜若の精であり業平は歌舞の化身であると教え、昔を懐かしんで舞を舞う。という内容でした。この時に不思議な体験をしました。目を開けて舞を観ているのに眠りに入っていたり、観ていたりと「夢か現か」の境地で、杜若の精に魅入られてしまいました。能は舞台が始まっても観客席の明かりはそのままです。舞台にスポットライトが当たるということもありません。舞台装置もありません。全て、観る観客がその場面を想像しながら観ます。観客ひとりひとり違うものを観ているのです。まだまだ、能初心者ですが、いろいろ知りたいが沸々と湧き上がってきます。そして、これからも感性を磨いていこうと思う今日この頃です。 (さかした)

【編集後記】
今回は、私が経験した人と人と出逢い、縁みたいなもののお話をさせていただきます。(ぶんちゃん)
梅雨に入り、花のように色とりどりの傘が街に開いております。皆様体調など崩されていませんでしょうか。羽田です。今回は、私が経験した人と人と出逢い、縁みたいなもののお話をさせていただきます。
以前、知人に花を贈る機会があり、花屋を訪れました。そこの花屋は、メッセージカードを作成してくれるサービスをしていたので、文章を書いて渡します。すると渡した店員の男性がボロボロ泣き始めました。どうやら名前を見てビックリしたようです。私が花を贈る相手は、大病を克服して退院する女性です。店員の男性は、その女性から病気を理由に別れを告げられた元彼でした。ドラマのような、嘘のような話です。が、実話です。女性にその話をして、許可をもらい男性に連絡先を渡しました。その後、その二人は結婚して、子供も産まれたそうです。
きっと二人は、たとえどんな別れ方をしたとしても、結局は結ばれて幸せになったのではないか、と私は思います。私なんかは一生体験できないであろう、花が紡いだ素敵な縁の話でした。(ぶんちゃん)

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